ドナルド・トランプは民主主義の理想である
どうも、こんばんは。
本日は最近話題のドナルド・トランプ次期米大統領についてです。
ドナルド・トランプ氏の評価は基本的に否定的なものが多いと思います。
曰く、「ポピュリスト」、「排外主義者」、「レイシスト」。
肯定的な意見は殆どありません。特に、知識人からの評判は最悪でしょう。
しかし、僕はあえてトランプ氏を評価してみたいと思います。
僕は言いたい。
「ドナルド・トランプは民主主義の理想である」と。
民主主義にとって理想的な政治家とは、「民意を代表する者」であると通常は考えられています。
そりゃそうです。民主主義制度下において最終的な意思決定者は国民です。その国民の考えと全く違う人が指導者に選ばれるのは、民主主義ではありえないのです。
しかし、民主主義、特に間接民主制において、政治家は民意の代弁者という役割の他に、もう一つ重要な役割があると考えられています。
それはつまり、「争点を提案すること」です。
政治家は民意を代弁するだけではなく、今何が問題なのかを提案しなければなりません。なぜなら、そうしなければ、その問題で被害を受けている人々の不満が溜まるからです。
民主主義が長く続くためには、民意として現れてこない問題を汲み取ることも必要なのです。
言ってしまえば、民主主義で求められる政治家像とは、
「俺は皆の意思に従う。でも俺、これこれも問題だと思うんだ。皆、どう思う?」という人なのです。
その意味で、ドナルド・トランプ氏は「争点を提案する」という政治家の役割を果たしました。
移民問題という非常にナイーブで危ない話題を取り上げ、選挙の争点としたのです。
もし、トランプ氏が移民問題を取り上げなければ、移民問題は有耶無耶のままになっていたでしょう。それは、「民意の代弁」という意味でも、そして「争点の提案」という意味でも、民主主義の危機でしょう。
民主主義にとって、一番の問題とは多数者が少数者を抑圧することなのです。
民意を汲み取るだけでは、それは『多数者の専制』を呼び寄せます。
移民で苦しんでいる人もいるのも事実なのです。にも関わらず、それを無視して選挙の争点としないのでは、民主主義の危機となります。
そういう訳で、「ドナルド・トランプは民主主義の理想」であるわけです。
まぁ、移民問題というパンドラの箱を開けてしまったという評価も可能でしょう。
歴史を振り返ると、民意を無視したり、争点を提案するのをやめたりするのも民主主義にとって必要だったりするのは公然の秘密です。
どうでしょうか?分かっていただけたでしょうか?
もうちょっと整理して話す機会があればいいんですけど、今日はこれぐらいで許していただければと思います。
では、また。